入院管理
名古屋動物医療センターでは高度獣医療を行う土台には管理された入院システムが不可欠で、その延長線上にリハビリテーションがあると考えています。
したがって、当病院の入院設備は動物にとって最も安心・安全でありながら、快適でストレスのない配慮がなされております。入院動物の食事やトイレや生活について、入院時にスタッフが飼い主様から詳細な聞き取りを行ったうえで入院時のケア・食事・排泄補助などを行います。
日本の動物病院では最大規模の入院施設を有しており、動物にとって最も優れた入院環境を提供します。
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24時間完全看護による入院管理
名古屋動物医療センターは高度獣医療を行う前提として、24時間管理された入院システムが不可欠であり、その延長線上にリハビリテーションがあると考えています。人の病院ではナースコールで看護師や医師を呼べますが、人の新生児や乳幼児と同様に犬猫はスタッフが24時間見守ってあげる必要があります。
しかしながら、日本の動物病院の多くが夜間は無人で動物を入院させている現状があります。
当院では24時間完全看護で、常に動物の傍に寄り添った看護を行い、深夜でも最低、看護士2名、獣医師1名が入院管理しています。
日本最大規模の入院施設・ナースステーションを中央に配置した看護
当院の入院施設の床面積は、日本で最大規模の動物病院です。
一般の動物病院での入院可能頭数で換算すると:2F;11頭、3F;50頭、4F;9頭 合計 70頭が入院可能ですが、当院では動物のストレス軽減や感染対策のためにその半数の入院頭数にコントロールしています。
3Fの入院病棟は人の病院と同様にナースステーションを中央に配置し、その周囲に小区画のケージや個室を配置することで、24時間の看視が出来るように設計されています。入院室内は全て「犬用のクッションフロア」で滑らない床が施工してあります。
入院室は小区画に細分化した、個別空調・換気システム
当院の入院室は動物の最適な環境を提供し、ストレス軽減および感染対策のために12区画の部屋に細分化してあります。
なぜなら、病状や犬種(チワワやフレンチブルなどの短頭種や大型犬)、猫では最適な室温は異なります。
個々の動物に最適な室温管理を行うために小区画に細分化し、個別空調・換気システムを設置してあります。
また、感染対策のため、陽圧換気入院室は2室(小型犬用IUC,大型犬用ICU)が陰圧換気入院室 (2重扉)2室あり、
感染症を合併した動物のための隔離入院室(陰圧換気 1室、大型犬用 1室)を備えています。
陽圧換気室とは、抵抗力の弱い動物の場合、周囲の汚染から守るために室内を陽圧にすることで、雑菌が入りにくい環境に保持します。
ICU(集中治療室)には重篤な病状の動物が入院するため、陽圧換気室になっています。
また、陰圧換気室とは、感染症などの保菌動物の場合あるいはその可能性がある場合に、室内を陰圧にすることにより隔離し、病原菌が外に拡散することを防止します。そのため、陰圧室への出入りは2重扉になっており、前室で感染防護着を着てからケアを行います。
大型犬舎(8室)は強化ガラスの扉で個別管理
大型犬の犬舎は9室あり、すべて強化ガラスの扉のある個室で犬舎ごとの個別空調を行っています。
6室の大型犬舎は部屋の2面にドアがあり、1つは強化ガラスの扉でナースステーションから24時間監視出来るようになっており、もう1つの扉は部屋から出るとすぐに室外運動場になっています。これは、大型犬は室外での排泄を好むことが多いため入院犬舎の横に室外運動場を設置することで、安静保持が可能でかつ排泄も快適にできるように配慮してあります。
リハビリテーション室・トリミング室併設
入院室の隣にはリハビリテーション室が配置してあります。主に陸上でのリハビリテーションを頻回に行うためには、入院室の隣が最適です。
入院中の動物もグルーミングやトリミングが必要な場合がありますので、入院動物専用のトリミング室を設置してあります。
(当院では一般のトリミングやグルーミングは行っておりませんのでご了承ください)
入院室ビデオ監視システム
小区画された全ての入院室には、20台のビデオ監視システムが設置してあり、動物の動きや行動を見逃さないよう配慮しています。
低反発マットと殺菌消毒したタオル使用
入院室やケージの床には低反発マットを置き、その上にペットシーツを敷き、バスタオルで巻いてあります。
動物が決して滑ったりせず、足腰に負担がかからない様に配慮しています。
使用したバスタオルは、専門業者で洗濯と同時に高温殺菌消毒しています。動物の安静度に応じて部屋面積を変更します。
食器の高温殺菌消毒装置・浄水した飲水・入院中の食事管理
使用した食器は、毎回使用ごとに洗浄後に専用の高温殺菌消毒装置で消毒しています。また、飲水は浄水器を通して使用します。
また、入院動物の食事は、入院時にスタッフが飼い主様から詳細な聞き取りを行い、獣医師と動物看護師と動物栄養管理士が病状にあった食事を選択します。
入院室の厨房内で食事を作り、可能な限り動物にとって美味しく食事が摂れるよう配慮しています。